Four Goods

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心をつなぐ学びの旅  – Four Goods Vision Projectに参加して-

はじめに 私は、将来、国際問題に取り組むキャリアを築きたいと考えており、スイスという国際的な環境で国際問題について学び、深く考えることが、自分の成長にとって理想的な機会だと思い、「Four Goods Vision Project」への参加を決めました。また、スイスという国の文化や自然にも強い関心があり、その豊かな自然と国際的な雰囲気の中で新たな経験ができることに魅力を感じました。ここでは、プログラム内での経験やプログラム修了後に得た学びがどのように活かされているかをお話したいと思います。 自然と心に向き合ったアルプスでの3日間 アルプスでのセッションでは、スイスの壮大な自然を感じながら、「Climate change」、「Empathy」、「Public Health」、「Biometrics」、「International Relations」といったテーマについて学びました。私にとって、特に印象的だったセッションを2つ取り上げます。1つ目はGlacier3000への登山です。美しい風景と壮大な氷河が環境問題の影響を受けている現実を目の当たりにし、その場での学びを通して、環境問題がいかに差し迫った課題であるかを実感しました。 2つ目は「Empathy」についてのセッションです。「Empathy」は、Four Goods Vision Projectの核となる概念の一つです。日本語で「共感」と訳されるこの言葉は、相手の立場に立ち、その感情や考えを想像することを指します。囚人との対話を体験するエクササイズでは、相手の立場を考え、信頼関係を築くための言葉選びの難しさと、その重要性を学ぶ貴重な機会となりました。 「希望を紡ぐ地」ジュネーブでの学び ジュネーブでは、UNOG(国際連合ジュネーブ事務局)をはじめ、ICRC(赤十字国際委員会)、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)、UNITAR(国連訓練調査研究所)、ITU(国際電気通信連合)、ジュネーブ国際機関日本政府代表部など、様々な機関を訪問しました。それぞれのセッションを通して、世界の課題に取り組む職員の方々の姿勢や使命感に触れ、私も将来、国際的なフィールドで活躍したいという思いが一層強くなりました。 ICRCでは赤十字博物館を訪れ、赤十字の活動の歴史を学びました。目をつぶりたくなるような紛争の悲惨さと、困難な状況でも決して諦めず、人々を助けるために活動する赤十字の姿に触れ、心を打たれました。 ITUでは、ITUとUNICEF(国連児童基金)が共同で立ち上げた、デジタル・デバイドを解消し、すべての子どもたちに教育機会を提供することを目的としているプロジェクト「GIGA」についてのお話を伺いました。デジタル化がもたらす便利さの裏側で、デジタルを使うことができる人とできない人の間に「デジタル格差」という新たな社会問題が広がっている現状を改めて認識し、学生として何ができるかを議論しました。このセッションを通して、自分たちが直面する問題に取り組むための意識が変化したように感じます。 UNITARでは、問題解決においてコンセンサスを得る重要性を体験型のエクササイズで学びました。明確な正解がない問題に対して、協力して解決策を見つける経験を通して、協力することで、一つの物事を考える上での引き出しが増えていくことを実感しました。未来の予測が困難なVUCA時代を生き抜くために、ファシリテーションなどの話し合いのスキルを身につけていきたいと思いました。 日本政府代表部では、国際機関で働くためのキャリアパスについてお話を伺いました。プログラム全体を通して国連職員の方々から伺ったキャリア構築に関するお話はいずれも興味深く、国際問題に立ち向かうために異なる分野のエキスパートが協力している様子に感銘を受けました。 UNHCR訪問は、特に心に残る経験となりました。もともと文化や言語に関心があった私は、それを起因とする差別や難民問題にも関心を抱いていました。プログラムでは難民の方々や支援者の方々の生の声を聞く貴重な機会がありました。彼らのお話を伺い、自分の疑問や考えを共有する中で、難民という存在を「自分の居場所を探し、懸命に生きる人々」として捉え直しました。「難民」という言葉には、どこかネガティブなイメージがつきまとうことがあります。しかし、今回の経験を通して、難民の方々が困難な状況にありながらも希望を持って生きる姿に触れ、大きな尊敬と感動を覚えました。また、彼らとともに希望を追う国連職員の方々の姿にも心を動かされ、自分も何か貢献したいという思いが芽生えました。 学びから行動へ 帰国後、私はスイスで学んだ「Empathy」を軸に、難民支援や啓発活動を行う学生団体に所属し、活動をはじめました。個人としての力は小さいかもしれませんが、未来を信じて、活動の輪を広げていきたいと思っています。最近では、難民の背景を持つユースを招いて交流会を開催しました。その中で、1人の「僕たちはみなさんと変わらない」という言葉が心に残りました。難民を「特別な存在」として捉えず、同じ地球人として、共に生きる社会を築くために何ができるかを考え続けたいと思います。 終わりに Four Goods Vision Projectでの経験は、私にとって大きな転機となりました。スイスで学んだことは、単に知識を得るだけでなく、自分自身を見つめ直し、視野を広げ、新たな行動を起こすきっかけを与えてくれました。 これからも学びを深め、自分の言葉や行動で社会に変化を生み出すことができるような人材になることができるよう、努力していきたいです。 (今井小百合) https://vimeo.com/1060646654/42238cabba

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「ダボス2025の展望:不確実性の時代を乗り越えるイノベーション」

世界経済フォーラム(WEF)に5回目の参加となったダボスでは、今年もこの独特なエネルギーに圧倒されました。異なる業界や国々の最も影響力のあるリーダーたちが集まり、世界の喫緊の課題について議論するこのイベントは、世界情勢のバロメーターとしての役割を果たしています。公式な招待者は3,000人ですが、それをはるかに上回る30,000人以上が小さなスイスの町を訪れ、公式セッション以外のサイドイベントに参加しました。今年は、当方のCEO及び理事長のサポート役として参加し、これまでで最も多くの人が訪れた歴史的な年を目の当たりにしました。 今日の世界は、地政学的危機、不安定な政府、自然災害に満ち、不確実性が深まっています。歴史が示すように、不確実性が高まるほど、人々はダボスに集まり、世界の動向を確認し、洞察を得て、人脈を築きます。今年のテーマは 「インテリジェント時代の連携」 であり、人工知能(AI)と新興技術が産業と社会に及ぼす変革的な影響が強調されました。以下、特に印象に残ったセッションの考察を共有します。   1. 米国新政権に対する大きな不確実性 ダボスは米国大統領の就任と重なり、新大統領がフォーラムにテレビ電話で参加し、スピーチを行いました。その内容はダボスの精神とは正反対でした。化石燃料の使用拡大、そしてパリ協定からの離脱を主張し、さらには関税引き上げを示唆し、多様性、公平性、包括性(DEI)の取り組みを軽視しました。 この姿勢に対して、多くの参加者は沈黙を守りましたが、一部の企業リーダーや国々は引き続き多国間主義と国際協力へのコミットメントを強調しました。気候変動は依然として多くの参加者にとって主要な関心事であり、一国主義的政策と集団的な地球規模の取り組みとのギャップが広がっていることが浮き彫りになりました。   2. 気候変動は現実であり、即時の対応が必要 ダボス経済会議が毎年発表する「グローバルリスク報告書」 では、900人以上の専門家の見解に基づき、驚くべき現実が示されました。短期的には地政学的リスクが支配的ですが、長期的なグローバルリスク上位5つのうち4つが環境に関するものでした。 企業はもはやサステナビリティを道徳的義務としてだけでなく、経済的必然性として捉えています。気候変動対策の欠如によるリスク—サプライチェーンの混乱から保険危機に至るまで—は無視できないほど現実的になっています。多くの企業が、自社のビジネスモデルに持続可能性を組み込み、脱炭素化が回復力と競争力を強化することを認識しています。 特に印象的だったのは保険業界の意見です。一部の経営者は、近い将来、気候災害の増加により高リスク地域の住宅保険を提供できなくなる可能性があると警告しました。この懸念は、環境リスクを軽減するためのシステム的な解決策の必要性を浮き彫りにしました。   3. 気候と健康のつながり 今回の議論の中で印象的だったのは、健康がこれまでのように単独で語られるのではなく、特に気候変動をはじめとする環境要因と深く結びつけて議論されるようになっていることです。大気汚染は健康に直接的な影響を与えますし、気温の上昇は特に脆弱な方々に大きな負担をもたらし、熱中症の発生が過去最多となるほど増えていることが報告されました。 また、気候変動は感染症の広がりにも影響を及ぼしています。洪水が発生すると、コレラのような水を介した感染症のリスクが高まりますし、気温の上昇によって蚊の生息域が広がることで、黄熱病やマラリア、デング熱などの病気がこれまで影響を受けていなかった地域にも広がります。さらに、気候変動とさまざまな要因が重なることで、動物から人へうつる病気を含め、さまざまな感染症が広がるリスクが高まると言われています。 Gaviはさまざまなセッションの中で、ワクチンが気候変動への適応策として重要な役割を果たすことを強調しました。実際、Gaviのワクチンの約半分が気候に関連した感染症に対応するものです。また、ワクチン接種は入院を減らし、医療分野からのCO2排出量を抑えることで、気候変動の緩和にも貢献します。現在、医療分野は世界のCO2排出量の約4%を占めるとされています。 このように、Gaviはワクチン接種を強化することで、気候変動による健康課題によりよく備えることができると訴えていました。   4. 技術:最大の平等化要因であり、分断要因でもある 政治的対立—左派と右派、米国とヨーロッパ、ウクライナやガザをめぐる国際紛争—にもかかわらず、ダボスでの一つの共通認識は明確でした。それは、テクノロジーが前例のない速度で世界を変革していること、そしてAIがこの革命の最前線にあること です。 ダボスのメインストリート 「プロムナード」 は、最新のイノベーションを誇示するAI企業の広告で埋め尽くされていました。しかし、華やかな看板や大規模な発表の裏には、不確実性が漂っていました。多くの企業がAIに莫大な投資をしていますが、実際にどのような課題を解決するのか、依然として模索中です。AIが自社の業界にどのような影響を与えるのか—もはや未来の話ではなく、喫緊の課題となっています。 AIは単なるビジネスツールではなく、地政学的な資産としても認識されています。   5.新興大国の台頭 米中競争に注目が集まる中、ダボスではより多様な現実が明らかになりました。サウジアラビア、UAE、カタール、インド、インドネシア は、投資や人材を惹きつける場としてダボスを活用し、新興大国としての地位を確立しつつあります。次回の G20ホスト国である南アフリカ も、大型パビリオンを展開し、世界的リーダーシップへの野心を示しました。 これらの国々はもはや「招待される側」ではありません。彼らは積極的にストーリーを作り、世界の影響力の未来は西側諸国だけのものではないことを証明しています。   ダボスの魔法 ダボス2025は、技術革新、環境持続可能性、地政学的変化 の複雑な相互作用を浮き彫りにしました。これらの課題を乗り越え、機会を活かすためには、これまで以上に協力が必要です。 ダボスはいつも私を魅了します。これほど多くの意思決定者が一堂に会する場所は他にありません。計画的な出会いもあれば、偶然の出会いから素晴らしいアイデアが生まれることもあります。Gaviが25年前にダボスで発表されたことを忘れてはなりません。 今年、最も印象に残った出来事のひとつは、偶然ホテルのロビーでパプアニューギニアの国家元首と出会い、ドローンを活用したワクチン配送についてお話しする機会をいただいたことです。こうした思いがけない会話が、変革的なソリューションにつながる。それが「ダボスの魔法」ではないでしょうか。 (長嶺義宣)

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「空を超えて星へ -ドローンが描く未来の人道支援」

ウィングコプター共同創設者兼CEO トム·プルマー氏へのインタビュー アイデアから起業家精神へ 長嶺義宣: このインタビューをお引き受けいただきありがとうございます。読者の皆様のために、簡単に自己紹介をお願いできますか?あなたはドイツに拠点を置く人道的かつ商業的な配送ドローン会社「ウィングコプター」の共同創設者兼CEOであり、ドローン配送を通じて命を救い、生活の質を高める革新的なソリューションを提供しています。また、これまでに1億ドル以上の資金を調達し、2023年には世界経済フォーラムのヤング・グローバル・リーダーに選ばれました。その経緯やミッションについて教えていただけますか? プルマー : こちらこそありがとうございます、この場に参加できて光栄です。私の旅路は、常にインパクトを生み出すことへの情熱に突き動かされてきました。私はガーナで2年間過ごし、医療や基本的なインフラへのアクセスが限られている地域社会が直面している課題を目の当たりにしました。特に印象に残っているのは、隣人の子どもがちょっとした熱病のために必要な薬が手に入らず亡くなってしまったことです。それが私の心に深く影響を与えました。ドイツに戻った後、映像制作やデザイン、コミュニケーションといった自分のスキルを使ってどのように変化をもたらせるかを考えました。 ガーナでの生活は、レジリエンス(回復力)や地域社会をエンパワーすることの重要性を教えてくれました。子どもたちに映像制作を教え、衛生環境の欠如や教育へのアクセスといった問題を記録する手助けをしました。一つのプロジェクトでは、子どもたちの制作したドキュメンタリーがきっかけとなり、実際に海岸の清掃活動が行われました。この経験は、ツールや知識を提供することで人々が自ら解決策を生み出せるようになるという私の信念を強化しました。ガーナでの経験は、単なる出来事ではなく、謙虚さや創造性、地域社会の力を学ぶための大きな教訓となりました。 長嶺: そのとき、あなたは何歳でガーナに行ったのですか? プルマー: 19歳でした。そして、22歳のときに再び戻りました。25歳で最初の会社を設立しました。 長嶺: そんな若い年齢で・・起業家になろうと思ったきっかけは何ですか?正式な教育が大きな要因だったのでしょうか、それともより非公式な方法で学んだのでしょうか? プルマー: ガーナでの経験が転機でした。それは、テクノロジーと現実の課題とのギャップを示してくれるもので、そのギャップを埋めたいという思いを抱かせました。命を救い、具体的なインパクトをもたらすソリューションを作りたかったのです。正式な教育もスキルを形作る上で重要でしたが、私が学んだ多くのことは実践や非公式なリソース、例えばポッドキャストや独学から得たものです。 例えば、「The Twenty Minute VC (20VC)」というポッドキャストを熱心に聴いていました。ある日、自分がそのポッドキャストで学んだ戦術を使って何百万ドルもの資金を調達していることに気づきました。冗談ですが、ポッドキャストの企画者が「手数料をよこせ」と言って来ないことを願っています(笑)。私にとって、起業家になるということは富を追い求めることではなく、この世界であってはならない問題を解決することを意味していました。起業家精神を考えるとき、私はその取り組みによって改善しようとしている人々の生活を思い浮かべます。   ウィングコプターの創設について 長嶺: ウィングコプター設立について教えてください。共同創設者との出会いや会社のビジョンはどのようなものでしたか? プルマー: 共同創設者との出会いは、私にとって大きな転機でした。彼は素晴らしいエンジニアで、ドローンのプロトタイプを開発していました。彼が技術に集中する一方で、私はドローンを有意義な目的に活用するというビジョンを持っていました。出会って1週間でウィングコプターを設立することを決意しました。彼の技術的専門知識と私のインパクトへの情熱を組み合わせることで、現実の課題に取り組む会社を築き上げました。 彼はすでに画期的な技術を備えたプロトタイプを開発しており、垂直離着陸と効率的な前進飛行を可能にする特許取得済みのティルトローター設計も含まれていました。一方で、私はこの技術をどのように緊急のグローバル課題に適用するかという視点を持ち込んだのです。一緒に、ウィングコプターを単なるアイデアからスケーラブルなソリューションに変えることができました。 創業初期は、無知と不屈の決意が入り混じった日々でした。どのように達成するかはわからなくても、私たちは成し遂げたいことを明確に理解していました。それが小さく始めることの素晴らしさです。一つ一つのマイルストーンが大きな意味を持ちます。   スタートアップの課題 長嶺: 起業家としての旅路の中で、最も大きな課題は何でしたか?特にドローン業界ではリスクが多いと思いますが、どのような挫折を経験し、それをどのように乗り越えたのか教えてください。 プルマー: 最大の課題は、厳しく規制された商業航空業界を切り抜けることでした。この業界では、本当に革新的なものを生み出すために、多大な時間、資金、そして研究開発(R&D)が必要です。単に既存のソリューションを模倣するのではなく、市場に革命を起こすには何年もの努力が求められます。しかし、多くの投資家は短期的なリターンを求める傾向があり、R&Dの段階ではそれが難しいのが現実です。 私たちは10年以上にわたり、1億ユーロ以上の投資、飛行およびベンチテスト、そして実証試験を経て、ついに「Wingcopter 198」の商業化フェーズに移行し、グローバルに展開する準備が整いました。今後5年間は、世界トップクラスのドローンソリューションを市場に投入し、グローバルなインパクトを与えることに注力します。 私たちの歩みは、多くのスタートアップとは異なります。創業から最初の4年間は自己資金で運営し、両親から2万ユーロを借りてドローンの開発と収益化に奔走しました。この方法により、私たちは自律的に成長し、事業のコントロールを維持することができました。初期段階で不利な条件を提示する投資家を避けたことで、私たちのビジョンを損なうことなく進むことができたのです。 事業が軌道に乗り始めると、シリーズAラウンドで6,000万ユーロを調達し、さらに欧州投資銀行(EIB)から4,000万ユーロの追加投資を受けました。グローバル規模での拡大には今後も数億ユーロ規模の資金が必要ですが、これまでに直面してきた課題を乗り越えたことで、私たちはより強くなり、次のフェーズへの準備が整っています。 ドローンがグローバル課題に対処する役割 長嶺: ドローンはグローバル課題にどのような役割を果たし、どのような影響を与えるのでしょうか?特に低中所得国でラストマイル配送に焦点を当てている理由を教えてください。 プルマー: ドローンは物流、特にラストマイル配送においてゲームチェンジャーとなる存在です。インフラの不足による大きなギャップに対応し、迅速かつ信頼性の高い輸送手段を提供します。先進国では、交通渋滞が配送を遅らせることがありますが、アフリカや東南アジアの農村部では、インフラの欠如により、医療用品が目的地に届くまでに数日かかることがあります。ドローンはこれに対し、より迅速で信頼性の高い選択肢を提供します。 例えば、遠隔地に住む母親が、出産後に出血を止めるためのオキシトシンを必要としているとします。ドローンを使えば、その命を救う薬を数分で届けることができます。これが、私たちが医療物流に焦点を当てている理由です。しかし、ドローンは医療に限ったものではありません。飢餓や教育、気候変動など、他の課題にも取り組む可能性を秘めています。「私たちは単にドローンを飛ばしているのではありません。機会を飛ばしているのです」とよく言います。  ※ラストマイル配送:物流や配送のプロセスにおいて、商品の最終的な届け先である消費者や店舗までの配送を指す。 ドローンの将来的な活用事例 長嶺: 医療物流以外で、ドローンの将来的な活用事例としてどのような可能性を見ていますか? プルマー: 可能性は無限大です。私たちは、ドローンネットワークが空における物流のハイウェイになることを想像しています。医療物流以外にも、ドローンは食料品の配達、eコマース、野生動物の保護、さらには中間物流にも利用できます。たとえば日本では、離島への食料品配送を模索するパートナーシップを進めています。技術が進化すれば、より重い荷物をより長い距離運べる大型ドローンの開発が可能になります。 規制の枠組みが、ドローンの未来の活用事例を形作る重要な要素となります。技術自体はすでに準備が整っていますが、都市部で安全かつ効率的に運用するためには明確なガイドラインが必要です。このプロセスは苦痛を伴いますが、安全性と法令遵守は譲れません。また、ドローン物流に再生可能エネルギーソリューションを統合する機会も見ています。たとえば、水素を動力とするシステムです。可能性の限界を押し広げながらも、持続可能性を確保することが私たちの目標です。   相乗効果、パートナーシップ、成長

「空を超えて星へ -ドローンが描く未来の人道支援」 Read More »